左歯の痛みから、頚部痛、胸痛へと進展あり。
発熱あり、WBC/CRP高値。
頸部造影CTでは、咽頭ー喉頭周囲に本来認めない液貯留およびガス像を認めています。
胸部では、心臓の周りに辺縁に造影効果を有する液貯留を認めています。
縦隔の膿瘍を疑う所見です。
また右胸水を認めています。
矢状断像では、椎体前に頸部から胸部へ連続する縦方向の液貯留を認めています。
また、その前側には咽頭から喉頭にガス像を認めており、その下には縦隔膿瘍を疑う液貯留を認めています。
左歯の痛みから、頚部痛、胸痛へと進展があることからも、う歯からの炎症が頸部に広がり、
- 咽頭後間隙→危険間隙と呼ばれる間隙に感染の広がり、膿瘍が形成された
ことが推定されます。
簡単にいうと、う歯→頸部→胸部(縦隔)へと炎症が広がり膿瘍が形成されたということです。
このように頸部から胸部(縦隔)へ炎症が波及することがあるので注意が必要です。
治療は、抗生物質、(可能ならば)ドレナージが基本となります。
従って正解はa,bとなります。
咽後膿瘍とは?
咽頭後間隙・危険間隙に膿瘍が形成された状態を咽後膿瘍(読み方は「いんごのうよう」)と呼ぶ。
咽頭後間隙は頭尾方向に広く分布しているため、縦隔レベルに進展して縦隔炎を起こすことがあり、その場合、重篤化する。
成人の咽後膿瘍の原因
- 外傷
- 異物
- 口腔内感染
が多い。
参考文献:画像診断に絶対強くなるワンポイントレッスン2 P163
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