頭部の造影MRIにおいて、左の前頭葉に球形の均一に造影される腫瘤を認めています。
その周囲には低信号が目立ち、広範な浮腫を疑う所見です。
腫瘤の背側にも小さな造影効果あり。
また右側にも索状の造影効果を認めています。(下の画像では記載しておりませんが、その腹側にも索状の造影効果あり)
このように大脳鎌(正中部分)を介して両側に広がる腫瘍としては、
- 悪性リンパ腫
- 髄芽腫
が典型です。
今回は抗CD20抗体が陽性であることや、画像上均一に造影される形態から、悪性リンパ腫(中枢神経系原発悪性リンパ腫(PCNSL))が疑われます。
(髄芽腫の場合はもっと不均一です。)
治療は、
- 大量メトトレキサート(MTX)投与+放射線治療
が標準治療となります。
従って正解はeとなります。
参考文献:
病気がみえる 〈vol.7〉 脳・神経 P428