75 歳の男性。労作時の呼吸困難と体重減少とを主訴に来院した。年前から労作時の呼吸困難を自覚していたが徐々に増強し、体重も半年前と比較して8kg減少したため心配になり来院した。年前に肺炎で入院治療を受けている。喫煙は 30 本/日を 50 年間。意識は清明。身長 162 cm、体重 39 kg。体温 36.5 ℃。脈拍 96/分、整。血圧 140/70 mmHg。呼吸数 24/分。SpO2 91 %(room air)。心音はⅠ 音とⅡ音の減弱を認めるが心雑音は認めない。呼吸音は減弱している。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。血液所見:赤血球 435 万、Hb 13.7 g/dL、Ht 41 %、白血球 7,200、血小板 19 万。血液生化学所見:総蛋白 6.4 g/dL、アルブミン 3.4 g/dL。CRP 0.4 mg/dL。動脈血ガス分 析 room air:pH 7.42、PaCO2 47 Torr、PaO2 62 Torr、HCO3– 28 mEq/L。呼吸機能所見:%VC 78 %、FEV1 % 42 %。胸部エックス線写真と胸部 CTとを別に示す。 この疾患について誤っているのはどれか。
a 除脂肪体重は予後と関連する。
b 高蛋白・高エネルギー食が望ましい。
c 脂質の割合が高い栄養素配分が基本である。
d 安静時エネルギー消費量は予測値より低下する。
e 食事に伴う呼吸困難が食事摂取量減少の一因となる。
75 歳の男性。労作時の呼吸困難と体重減少とを主訴に来院した。年前から労作時の呼吸困難を自覚していたが徐々に増強し、体重も半年前と比較して8kg減少したため心配になり来院した。年前に肺炎で入院治療を受けている。喫煙は 30 本/日を 50 年間。意識は清明。身長 162 cm、体重 39 kg。体温 36.5 ℃。脈拍 96/分、整。血圧 140/70 mmHg。呼吸数 24/分。SpO2 91 %(room air)。心音はⅠ 音とⅡ音の減弱を認めるが心雑音は認めない。呼吸音は減弱している。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。血液所見:赤血球 435 万、Hb 13.7 g/dL、Ht 41 %、白血球 7,200、血小板 19 万。血液生化学所見:総蛋白 6.4 g/dL、アルブミン 3.4 g/dL。CRP 0.4 mg/dL。動脈血ガス分析 room air:pH 7.42、PaCO2 47 Torr、PaO2 62 Torr、HCO3– 28 mEq/L。呼吸機能所見:%VC 78 %、FEV1 % 42 %。胸部エックス線写真と胸部CTとを別に示す。 この疾患について誤っているのはどれか。
- 喫煙指数=30×50=1500 > 700 →COPD、咽頭ガンや肺ガンの危険性も高くなる。
- BMI=39÷1.62÷1.62=14.86<<22 →過度のるいそう(痩せ)あり。
- 呼吸数24/分、SpO2 91% →低酸素による頻呼吸
- PaCO2 47 Torr、PaO2 62 Torr →低酸素血症、高二酸化炭素血症
- FEV1 % 42 %<70% →閉塞性換気障害
胸部レントゲンでは、肺のボリュームの増大、横隔膜の平坦化あり。
また胸部CTでは、両側著明な気腫性変化を認めており、COPDと診断することができます。
閉塞性換気障害がある場合、呼吸をすること自体に健常人よりも多くのエネルギーを使うため、安静時エネルギー消費量は予測値よりも増加します。
従って正解は、dとなります。