胸部下行大動脈から腹部大動脈にかけて、巨大な動脈瘤あり。
またその下の腹部大動脈にも瘤あり。
同部の大動脈瘤の手術において、注意しなければならないのは、
Adamkiewicz artery(アダムキービッツ動脈、大脊髄根動脈)
です。
Adamkiewicz artery(アダムキービッツ動脈、大脊髄根動脈)とは
Adamkiewicz artery(アダムキービッツ動脈)とは、脊髄の2/3を栄養する前脊髄動脈に血流を送る血管で最も太いもの。
ですので、この動脈が閉塞すると脊髄虚血・梗塞に陥る(対麻痺となる)可能性があるため、この動脈の同定が重要となります。
この動脈は、Th8~L1の間で左側から起始する頻度が高く、太さは0.8~1.3mm程度であり、前脊髄動脈と合流する際に特徴的な”ヘアピンカーブ”を形成します。
ということで正解は、bとなります。
Adamkiewicz artery(アダムキービッツ動脈、大脊髄根動脈)は、放射線科的には喀血時の気管支動脈の塞栓の際にも問題となります。
脊髄梗塞の原因1)
- 不明(最多)
- 動脈硬化・大動脈手術によるAdamkiewicz動脈の血流障害
- 大動脈・椎骨動脈解離
- 血管炎
- 塞栓症
- 脊髄動静脈奇形
- 全身低血圧
- 潜函病
- 麻酔術の合併症
など
参考文献:
1)すぐ役立つ救急のCT、MRI P121