問題:第120回医師国家試験D33
70歳の男性。心房細動の既往がある。胃潰瘍穿孔に対する開腹手術から5日後の午後1時、突然しゃべれなくなり、右半身の脱力も出現した。左共同偏視、運動失語、右片麻痺を認め、NIHSSは16点。心電図は心房細動。午後2時の頭部MRI拡散強調像と頭部MRAを示す。
急性期治療で適切なのはどれか。
a 高気圧酸素療法
b 脳内血腫除去術
c 機械的血栓回収療法
d 頸動脈ステント留置術
e tissue plasminogen activator〈t-PA〉静注療法
問題文は厚生労働省の原文をもとに、学習に必要な要点を抜粋・要約しています。


出典:厚生労働省「第120回医師国家試験問題および正答」・D33。提示画像は公式別冊から抽出し、画像本体に矢印や着色は追加していません。
正答を確認する
正答:c 機械的血栓回収療法
公式正答値表:D033 C。
DWIの病変とMRAの血管を合わせる
DWIでは左島付近に高信号域がみられます。MRAでは左中大脳動脈の末梢側が右側と比べて描出されておらず、症状と合わせて左中大脳動脈の閉塞を考えます。
DWIは急性虚血性病変の評価、MRAは血管の描出の評価に用います。MRAの描出欠損は血流条件にも影響されるため、必要に応じて他の血管画像で確認します。また、提示されたDWI1枚だけで梗塞体積を数値化することはできません。
突然の局所症状と心房細動を結ぶ
運動失語、右片麻痺、左共同偏視は左大脳半球の障害と整合します。心房細動もあるため、心原性脳塞栓症を考える経過です。発症が院内で目撃されており、速やかな再灌流治療の評価が必要です。
t-PAの時間条件だけを確認して終わらない
発症後短時間ですが、開腹手術から5日しか経過していません。大手術直後や消化管出血などの出血リスクを確認する必要があり、本問ではt-PA静注療法を選びません。主幹動脈閉塞への機械的血栓回収療法を選びます。
血栓回収療法の適応も、閉塞部位、症状、発症時刻、虚血の広がりなどを合わせて判断します。『t-PAが使えないから再灌流治療は何もできない』と考えないことが、この設問のポイントです。
国試で押さえること
全選択肢の解説
この問題の全選択肢の解説は、第120回医師国家試験 D33(医師国家試験 過去問解説)で確認できます。
正常解剖の復習に、画像診断cafe
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出典・参考文献
- 厚生労働省:第120回医師国家試験問題および正答。D33・公式正答値表。
- 問題別解説の照合:コクシメイク・120D33。当該問題の解説を閲覧して照合。
- 日本脳卒中学会:rt-PA静注療法適正治療指針第三版
- 日本脳卒中学会:同指針2023年追補








