問題:第120回医師国家試験A48
78歳の女性。6か月前から咳嗽を自覚し、1か月前から労作時の息切れが出現した。SpO2 92%(room air)。両側下肺野にfine cracklesを聴取する。白血球3,800、CRP 0.1 mg/dL。胸部エックス線写真、胸部単純CT及び気管支肺胞洗浄液の写真を示す。
考えられる疾患はどれか。
a 肺胞蛋白症
b 特発性肺線維症
c サルコイドーシス
d ニューモシスチス肺炎
e びまん性汎細気管支炎
問題文は厚生労働省の原文をもとに、学習に必要な要点を抜粋・要約しています。



出典:厚生労働省「第120回医師国家試験問題および正答」・A48。提示画像は公式別冊から抽出し、画像本体に矢印や着色は追加していません。
正答を確認する
正答:a 肺胞蛋白症
公式正答値表:A048 A。
CTでは、すりガラス影の中の線を見る
両肺にすりガラス影が広がり、その中に網目状の線が重なっています。すりガラス影に小葉間隔壁などの肥厚が重なるcrazy-paving patternを考える画像です。病変と比較的保たれた肺が混在しています。
このパターンは肺胞蛋白症に特徴的ですが、それだけで確定する所見ではありません。肺水腫、感染症、肺胞出血などでもみられるため、病歴や追加検査と組み合わせます。
洗浄液が、診断を絞る手がかりになる
Cは白く濁った洗浄液です。肺胞蛋白症では、肺胞内にサーファクタント由来の物質が蓄積し、気管支肺胞洗浄液が乳白色になることがあります。本問では、CTのパターンと洗浄液を合わせて肺胞蛋白症を選びます。
液の写真だけで原因の分類までは決まりません。実診療では細胞診やPAS染色、抗GM-CSF抗体などを病型の評価に用います。CRPが低いことだけを理由に、感染症を完全に否定することもできません。
他の選択肢と、どこが違うか
特発性肺線維症では、胸膜直下・肺底部を中心とした網状影や蜂巣肺などを評価します。今回の設問では、乳白色の洗浄液を伴うcrazy-paving patternが診断を絞る材料です。
ニューモシスチス肺炎でも両側すりガラス影は生じますが、免疫抑制の背景や病原体の確認が必要です。サルコイドーシスのリンパ節腫大や小結節、びまん性汎細気管支炎の小葉中心性粒状影とは、主に注目する所見が異なります。
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出典・参考文献
- 厚生労働省:第120回医師国家試験問題および正答。A48・公式正答値表。
- 問題別解説の照合:コクシメイク・120A48。当該問題の解説を閲覧して照合。
- European Respiratory Society:肺胞蛋白症診療ガイドライン(2024)








