54 歳の女性。 時間前から心窩部痛を自覚したため救急外来を受診した。意識は清明。体温 38.5 ℃。脈拍 80/分、整。血圧 154/94 mmHg。腹部は平坦で、右季肋部に圧痛を認める。血液所見:赤血球 433 万、Hb 14.0 g/dL、Ht 42 %、白血球 12,400、血小板 17 万。血液生化学所見:アルブミン 4.5 g/dL、AST 24 U/L、 ALT 18 U/L、LD 161 U/L (基準 176〜353)、ALP 350 U/L(基準 115〜359)、 γ-GTP 94 U/L(基準 〜50)、尿素窒素 21 mg/dL、クレアチニン0.7 mg/dL。 CRP 13 mg/dL。腹部造影CTを別に示す。 この患者に対する処置として適切なのはどれか。2つ選べ。

a 結腸切除術
b 胆囊摘出術
cイレウス管留置
d 経皮経肝胆囊ドレナージ術
e 内視鏡的乳頭括約筋切開術

発熱、心窩部痛、CRP上昇、胆道系酵素上昇あり。

造影CTで、胆石および胆嚢の壁肥厚および腫大を認めています。
また胆嚢周囲脂肪織濃度上昇を認めており、炎症の波及が疑われます。

急性胆嚢炎を疑う所見です。

治療法は、

  • b 胆囊摘出術
  • d 経皮経肝胆囊ドレナージ術

となります。

正解は、b,dとなります。

経皮経肝胆囊ドレナージ術とは?

経皮経肝胆囊ドレナージ術は英語で、Percutaneous Transhepatic GallBladder Drainageといわれ、

  • PTGBD

と略されます。

その意味は、皮膚を刺して、肝臓を刺して、胆嚢に到達して胆汁を排液するということです。

イラストで表すと以下のようになります。

PTGBDについては詳しくはこちらの動画でまとめましたので、チェックしてみてください。

ご案内

腹部画像診断を学べる無料コンテンツ

4日に1日朝6時に症例が配信され、画像を実際にスクロールして読影していただく講座です。現状無料公開しています。3000名以上の医師、医学生、放射線技師、看護師などが参加中。

胸部レントゲンの正常解剖を学べる無料コンテンツ

1日3分全31日でこそっと胸部レントゲンの正常解剖の基礎を学んでいただく参加型無料講座です。全日程で簡単な動画解説付きです。

画像診断LINE公式アカウント

画像診断cafeのLINE公式アカウントで新しい企画やモニター募集などの告知を行っています。 登録していただくと特典として、脳の血管支配域のミニ講座の無料でご参加いただけます。