問題:第120回医師国家試験C51
70歳の男性。1週間前から咳と労作時の息切れがある。3か月前に肺小細胞癌(病期ⅢA)と診断され、化学放射線療法を開始し、放射線治療は予定通り終了した。SpO2 90%(room air)、右胸部にfine cracklesを聴取する。白血球7,800、好酸球2%、BNP 10 pg/mL、CRP 1.0 mg/dL、β-D-グルカン2.2 pg/mL。胸部CT上の線量分布図と受診時の単純CTを示す。
最も考えられる診断はどれか。
a 肺水腫
b 細菌性肺炎
c 放射線肺炎
d 好酸球性肺炎
e ニューモシスチス肺炎
問題文は厚生労働省の原文をもとに、学習に必要な要点を抜粋・要約しています。


出典:厚生労働省「第120回医師国家試験問題および正答」・C51。提示画像は公式別冊から抽出し、画像本体に矢印や着色は追加していません。
正答を確認する
正答:c 放射線肺炎
公式正答値表:C051 C。
同じ断面で、照射範囲と陰影を比べる
線量分布図では、右肺内側を含む領域に等線量曲線が描かれています。受診時CTでは右肺の内側を中心にすりガラス影と網状の陰影があり、照射範囲との対応が診断の手がかりになります。
線量分布図の色は、病変や炎症の強さを直接表示しているのではありません。治療計画上の線量の分布です。色付き画像と肺野画像がそれぞれ何を示すか、先に整理します。
治療後の時間経過も、画像所見の一部として読む
胸部への放射線治療後に、咳・息切れ・低酸素血症が出現しています。照射範囲に対応する肺陰影と合わせ、放射線肺炎を考えます。
放射線肺炎の陰影は、常に線で切ったように照射野に完全一致するとは限りません。また、放射線治療後でも感染症や薬剤性肺障害などは起こります。治療歴だけで診断を固定せず、全体の所見を確認します。
検査値は鑑別を補う材料にする
BNPが低く、心不全性の肺水腫を強く支持する状況ではありません。β-D-グルカンや炎症反応も合わせますが、単独の低値や正常値だけで感染を完全に否定することはできません。
今回は、照射後という経過と陰影の分布の対応が中心です。末梢血好酸球が増えていないことだけで、あらゆる好酸球性肺炎を除外できるわけでもありません。
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出典・参考文献
- 厚生労働省:第120回医師国家試験問題および正答。C51・公式正答値表。
- 問題別解説の照合:コクシメイク・120C51。当該問題の解説を閲覧して照合。
- 日本放射線腫瘍学会:放射線治療計画ガイドライン・胸部








