問題:第120回医師国家試験D39
76歳の男性。拡張期心雑音を指摘されて定期的に心エコーで経過観察していたが、労作時の息切れが出現した。血圧142/46 mmHg。胸骨左縁第3~4肋間に拡張期雑音を認める。BNP 245 pg/mL。胸部X線と心エコー、カラードプラ心エコーを示す。左室拡張期径69 mm、左室駆出率46%で、大動脈弁輪拡大と重症大動脈弁閉鎖不全症を認める。造影CTでも著明な大動脈基部拡張を認め、冠動脈に病変はない。
適切な治療はどれか。
a Bentall手術
b 僧帽弁置換術
c 大動脈弁置換術単独
d 上行大動脈置換術単独
e 経カテーテル大動脈弁留置術〈TAVI〉
問題文は厚生労働省の原文をもとに、学習に必要な要点を抜粋・要約しています。



出典:厚生労働省「第120回医師国家試験問題および正答」・D39。提示画像は公式別冊から抽出し、画像本体に矢印や着色は追加していません。
正答を確認する
正答:a Bentall手術
公式正答値表:D039 A。
症状・左室の変化・基部拡張を一組として読む
大動脈弁閉鎖不全では、拡張期に大動脈から左室へ血液が逆流します。この患者は重症の逆流に加え、息切れ、左室拡大と駆出率低下が記載されています。経過観察中の変化が治療を考える材料です。
心エコーの静止像では、基部や左室の形とカラージェットを確認します。ただし、色の広さだけで重症度を決めず、動画・ドプラ指標・計測値を統合します。本問では重症度と左室径・駆出率が問題文で明示されています。
弁だけを置換しても、基部の病変が残る
大動脈弁輪と大動脈基部が著明に拡大しています。大動脈弁だけ、あるいは上行大動脈だけへの対応では、示された病変全体を治療できません。選択肢ではBentall手術が適切です。
Bentall手術は人工弁付き人工血管などを用いて大動脈基部を置換し、冠動脈を再建する手術です。弁と基部の両方を扱う点が、この設問とのつながりになります。
設問にないCTを、掲載画像と取り違えない
問題文にはCTでの基部拡張が記載されていますが、提示されているのはX線と心エコーです。CTによる所見は問題文の情報として扱い、未提示のCTに矢印を付けたように説明しないようにします。
自己弁温存の基部置換など、実際の術式は弁の状態や患者の条件でも検討されます。今回の選択肢ではBentall手術を選ぶ問題であり、すべての基部拡張に唯一の術式という意味ではありません。
国試で押さえること
全選択肢の解説
この問題の全選択肢の解説は、第120回医師国家試験 D39(医師国家試験 過去問解説)で確認できます。
正常解剖の復習に、画像診断cafe
画像診断cafeのWeb版では、実際の正常画像で構造の位置関係を復習できます。無料のiPhoneアプリでも、頭部MRIなどの画像をタップして解剖名を確認できます。病変を読む前の正常解剖の確認にご利用ください。
出典・参考文献
- 厚生労働省:第120回医師国家試験問題および正答。D39・公式正答値表。
- 問題別解説の照合:コクシメイク・120D39。当該問題の解説を閲覧して照合。
- 日本心臓血管外科学会:大動脈基部置換術の解説








