問題:第120回医師国家試験A38
57歳の男性。突然生じた激しい頭痛で救急搬送された。数日前から軽い頭痛と複視、軽度の左眼瞼下垂を認めていた。既往歴に特記すべきことはない。頭部単純CT(別冊No.13)を示す。
破裂脳動脈瘤の部位として最も可能性が高いのはどれか。
a 内頸動脈
b 前大脳動脈
c 中大脳動脈
d 後大脳動脈
e 椎骨動脈
問題文は厚生労働省の原文をもとに、学習に必要な要点を抜粋・要約しています。

出典:厚生労働省「第120回医師国家試験問題および正答」・A38。提示画像は公式別冊から抽出し、画像本体に矢印や着色は追加していません。
正答を確認する
正答:a 内頸動脈
公式正答値表:A038 A。
まずCTで、くも膜下出血を確認する
脳底槽からシルビウス裂にかけて高吸収域があり、急性のくも膜下出血を考えます。通常は髄液で低吸収に見える腔に血液が入り、白く見えているという読み方です。提示像では左側の高吸収域が目立ちます。
ただし、単純CTは主に出血の分布を調べる検査です。この1枚だけで動脈瘤の形や頸部、正確な破裂点が直接見えていると解釈しないようにしましょう。
複視と眼瞼下垂は、部位を絞る情報
発症に先行する左の眼瞼下垂と複視から、動眼神経の障害を考えます。内頸動脈と後交通動脈の分岐部の動脈瘤は、近くを通る動眼神経に影響し得る位置にあります。
したがって、出血の分布と症状を組み合わせ、左内頸動脈−後交通動脈分岐部の動脈瘤を疑います。選択肢では内頸動脈が対応します。散瞳の有無は問題文に記載されていないため、今回あると付け足す必要はありません。
原因血管の確認は血管画像へ
実際の評価ではCTAや脳血管造影などで原因動脈瘤を検索します。国試では、頭痛の性状、出血の分布、先行する脳神経症状をまとめて読むことが大切です。動眼神経麻痺の原因が常に脳動脈瘤という意味ではありません。
選択肢を整理する
| 選択肢・病態 | 考え方 |
|---|---|
| 内頸動脈系 | 後交通動脈分岐部動脈瘤と動眼神経症状の関係が本問の手がかり。 |
| 前大脳・中大脳動脈系 | 出血分布に加え、症状との整合性を考える。頻度だけで選ばない。 |
| 単純CTとCTA | 出血の確認と、動脈瘤の形態評価の役割を分ける。 |
国試で押さえること
関連する画像診断の解説
正常解剖の復習に、画像診断cafe
画像診断cafeのWeb版では、実際の正常画像で構造の位置関係を復習できます。無料のiPhoneアプリでも、頭部MRIなどの画像をタップして解剖名を確認できます。病変を読む前の正常解剖の確認にご利用ください。
出典・参考文献
- 厚生労働省:第120回医師国家試験問題および正答。A38・公式正答値表。
- 問題別解説の照合:コクシメイク・120A38。当該問題の解説を閲覧して照合。
- 動眼神経麻痺を伴うIC-Pcom動脈瘤の治療症例の検討








