第120回医師国家試験 B36(2026年)
正答:b
問題
12 歳の男児。胸郭の変形を主訴に来院した。学校で着替えの際に友人に胸の形について指摘され、本人が気にしている。自覚症状はない。意識は清明。身長 158 cm、体重 40 kg。体温 36.6 °C。脈拍 60/分、整。血圧 122/76 mmHg。SpO2 96 % (room air)。胸部エックス線写真(別冊No. 3A)と胸部単純 CT (別冊No. 3B)とを別に示す。身体所見としてみられるのはどれか。
a.胸郭の動揺
b.胸骨の陥凹
c.胸骨の突出
d.鎖骨の隆起
e.肋骨の外反



正答の理由
胸部CTで胸骨を含む前胸壁が後方へ陥凹し、胸郭の前後径が狭くなっています。漏斗胸に相当する形態で、身体所見ではbの胸骨の陥凹を認めます。外見への悩みも評価し、形態や心肺機能への影響を踏まえて対応を考えます。
画像の見方
側面像では胸骨の後方への陥凹が分かります。CTでは前胸壁中央が胸腔側へ入り込み、胸骨と脊椎の間の距離が狭くなっています。正面像だけで形態を判断せず、側面像とCTを対応させます。
各選択肢の検討
a.胸郭の動揺:胸壁が呼吸に伴って不安定に動く所見で、外傷性の多発肋骨骨折などで問題となります。今回の形態異常の説明ではありません。
b.胸骨の陥凹:漏斗胸に対応する身体所見で、正答です。
c.胸骨の突出:鳩胸で認める形態で、今回とは逆です。
d.鎖骨の隆起:今回の画像で中心となる変形ではありません。
e.肋骨の外反:漏斗胸に肋骨弓の張り出しを伴う場合もありますが、提示像が示す中心的な所見は胸骨の陥凹です。
覚えるポイント
漏斗胸は前胸壁の陥凹、鳩胸は突出と整理します。単一のCT断面だけで重症度や手術適応を一律に決めず、本人の症状・悩みと全体の評価を合わせます。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。