第119回医師国家試験 D70(2025年)
正答:b・e
問題
27歳の女性。頸部腫大を主訴に来院した。6か月前から体重が減少し、汗をかきやすいことを自覚している。身長164 cm、体重47 kg (6か月前は52 kg)。脈拍112/分、整。血圧120/76 mmHg。頸部の外観写真(別冊No. 29A)と甲状腺超音波像(カラードプラ)(別冊No.29B)とを別に示す。
この患者の血液検査で高値なのはどれか。2つ選べ。
a.CRP
b.FT3
c.TSH
d.可溶性 IL‐2 受容体
e.抗 TSH 受容体抗体〈TRAb〉


正答の理由
体重減少、発汗、頻脈、びまん性甲状腺腫と甲状腺血流増加からBasedow病を考えます。甲状腺ホルモン産生が亢進するためbのFT3が高値となり、原因となるeの抗TSH受容体抗体〈TRAb〉も高値となります。
画像の見方
前頸部がびまん性に腫大し、カラードプラでは甲状腺実質内に広く豊富な血流信号を認めます。
各選択肢の検討
a.CRP:通常のBasedow病で炎症反応上昇は代表的所見ではありません。
b.FT3:正しい。甲状腺ホルモン産生亢進により上昇します。
c.TSH:甲状腺ホルモンによる負のフィードバックで低値になります。
d.可溶性IL-2受容体:甲状腺中毒症でも上がる場合がありますが、本問で選ぶ特徴的な二つはFT3とTRAbです。
e.TRAb:正しい。TSH受容体を刺激する自己抗体が病態に関与します。
覚えるポイント
甲状腺中毒症には破壊性甲状腺炎もあります。びまん性血流増加とTRAbはBasedow病の鑑別に役立ちます。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。