第119回医師国家試験 A61(2025年)
正答:b
問題
16歳の男子。発熱と皮疹を主訴に来院した。幼少期からアトピー性皮膚炎で治療を受けていたが、3か月前から治療を中断していた。2日前から39.9 °Cの発熱があり、顔面に皮疹が出現し体幹にも拡大したため受診した。疼痛はない。顔面と体幹に小水疱、びらん及び紅斑を両側性に認めた。顔面の写真(別冊No.26)を別に示す。
原因で最も考えられるのはどれか。
a.サイトメガロウイルス
b.単純ヘルペスウイルス
c.水痘・帯状疱疹ウイルス
d.ヒトヘルペスウイルス 6
e.Epstein‐Barr〈EB〉ウイルス

正答の理由
治療を中断したアトピー性皮膚炎を背景に、高熱とともに顔面から体幹に小水疱・びらんが急速に拡大しており、カポジ水痘様発疹症を考えます。代表的な原因はbの単純ヘルペスウイルスです。「水痘様」という名前でも水痘・帯状疱疹ウイルスが原因という意味ではありません。
画像の見方
両側の前額から眼周囲に小水疱・びらん・痂皮が多発しています。アトピー性皮膚炎の病歴と急な高熱を合わせ、単純ヘルペス感染の拡大を考えます。原本の目隠しはそのまま保持しています。
各選択肢の検討
a.サイトメガロウイルス:本例の湿疹上に急速に拡大する小水疱・びらんの典型的原因ではありません。
b.単純ヘルペスウイルス:正しい。皮膚バリアの破綻を背景に感染が広範囲へ拡大します。
c.水痘・帯状疱疹ウイルス:水痘や帯状疱疹を起こしますが、本例はカポジ水痘様発疹症が最も考えられます。
d.ヒトヘルペスウイルス6:突発性発疹などの原因で、今回の臨床像とは異なります。
e.Epstein-Barr〈EB〉ウイルス:伝染性単核球症などの原因ですが、本例の水疱・びらんの広がりを説明する典型的原因ではありません。
覚えるポイント
アトピー性皮膚炎に高熱と均一な小水疱・びらんが加わったら、カポジ水痘様発疹症を疑います。抗ウイルス治療の必要性を速やかに評価します。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。