第119回医師国家試験 A15(2025年)
正答:a
問題
58歳の男性。自宅近くの医療機関で頭部CT異常を指摘され来院した。6か月前から頭痛が出現した。意識は清明。身長168 cm、体重60 kg。脈拍64/分、整。血圧110/80 mmHg。視力、視野に異常を認めない。頭部単純MRIのT1強調冠状断像(別冊No.2A)とT2強調矢状断像(別冊No.2B)を別に示す。
次に行うべき検査はどれか。
a.内分泌検査
b.徒手筋力検査
c.認知機能検査
d.腹部 CT 検査
e.脳脊髄液検査


正答の理由
MRIではトルコ鞍内に嚢胞性病変を認め、ラトケ嚢胞などの下垂体領域の病変を考えます。視力・視野が正常でもホルモン分泌の異常がないとは限らず、下垂体前葉機能やプロラクチンなどの内分泌評価を行うaが適切です。画像所見だけで機能性・非機能性や病理診断を確定するものではありません。
画像の見方
冠状断像でトルコ鞍内に境界の明瞭な病変を認めます。矢状断像ではT2強調像で高信号を示し、内部に低信号成分を伴う嚢胞性の形態です。ラトケ嚢胞などを考慮し、画像のみでホルモン機能を判断せず内分泌検査につなげます。
各選択肢の検討
a.内分泌検査:正しい。下垂体のホルモン過剰分泌や分泌低下の有無を評価します。
b.徒手筋力検査:神経学的診察の一部ですが、提示された下垂体領域病変に対する次の重点検査ではありません。
c.認知機能検査:認知機能低下を示す病歴がなく、下垂体機能評価に優先しません。
d.腹部CT検査:今回のトルコ鞍内病変に対して、まず行う検査ではありません。
e.脳脊髄液検査:髄膜炎などを示唆する所見はなく、下垂体領域病変の内分泌評価に代わる検査ではありません。
覚えるポイント
下垂体病変では「画像・内分泌・視機能」を合わせて評価します。自覚症状や視野障害が乏しくても、ホルモン分泌低下が隠れている場合があります。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。