扁桃周囲膿瘍|第118回医師国家試験D61

第118回医師国家試験 D61(2024年)

正答:d

問題

35歳の男性。咽頭痛と発熱を主訴に来院した。3日前から咽頭痛と38 °C台の発熱があった。徐々に痛みが増悪し、今朝から口が開けにくくなり飲み込みにくくなったため救急外来を受診した。意識は清明。体温38.5 °C。脈拍92/分、整。血圧124/80 mmHg。SpO2 98 % (room air)。頸部に喘鳴を聴取しない。咽頭の写真 (別冊No. 24)を別に示す。

診断はどれか。

a.中咽頭癌

b.扁桃肥大症

c.急性喉頭蓋炎

d.扁桃周囲膿瘍

e.伝染性単核球症

片側扁桃周囲の膨隆と口蓋垂偏位。
別冊No.24:咽頭写真 / 出典:厚生労働省・第118回D別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

急激に増悪する咽頭痛・発熱に開口障害と嚥下困難を伴い、片側の扁桃周囲の膨隆を認める。扁桃周囲膿瘍を考える。扁桃周囲の炎症が咀嚼筋に及ぶと開口障害をきたす。呼吸状態の評価と耳鼻咽喉科による排膿・抗菌薬治療が必要になる。

画像の見方

片側の軟口蓋・前口蓋弓周囲が膨隆し、口蓋垂が反対側へ偏位している。単純な扁桃肥大より、扁桃周囲に膿が貯留する病変を示唆する。

各選択肢の検討

a:悪性腫瘍の経過としては急激で、発熱と開口障害を伴う感染性病変を優先する。

b:単なる肥大では急な強い疼痛や発熱を説明しにくい。

c:重い嚥下痛を起こすが、提示写真の扁桃周囲の非対称な膨隆は扁桃周囲膿瘍を支持する。喘鳴の有無だけで喉頭蓋炎を除外するわけではない。

d:正しい。咽頭痛、開口障害、嚥下困難と局所所見が合致する。

e:通常は両側扁桃炎、リンパ節腫脹などを評価する。本例の局所膨隆と開口障害からは膿瘍を優先する。

覚えるポイント

強い咽頭痛に開口障害を伴うときは扁桃周囲膿瘍を考える。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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