第118回医師国家試験 D50(2024年)
正答:b
問題
30歳の女性。夜間の息苦しさを主訴に来院した。生来健康であったが、半年前から夜中に息苦しさのため目覚めるようになった。咳、痰も半年前から毎日ある。喫煙歴はない。1年前からネコを飼っている。心音と呼吸音とに異常を認めない。胸部エックス線写真で異常を認めない。β2受容体刺激薬吸入前後の呼吸機能検査の結果を表に示す。
診断はどれか。
| 吸入前 | 吸入後 | |
|---|---|---|
| %VC (%) | 104 | 114 |
| FEV₁ (L) | 2.12 | 2.66 |
| FEV₁ % (%) | 68 | 72 |
a.過敏性肺炎
b.気管支喘息
c.慢性気管支炎
d.うっ血性心不全
e.睡眠時無呼吸症候群
正答の理由
夜間の発作性呼吸困難と慢性の咳があり、吸入前の1秒率68 %は気流制限を示す。β2刺激薬吸入後のFEV1は2.12 Lから2.66 Lへ0.54 L、約25.5 %増加しており、明らかな可逆性を認める。気管支喘息が最も考えられる。診察時に喘鳴がなくても否定できない。ネコは増悪因子となりうるが、飼育歴だけで原因抗原と断定しない。
各選択肢の検討
a:過敏性肺炎では抗原曝露との関連に加え画像・拡散能・拘束性障害などを評価する。本例では可逆性気流制限が目立つ。
b:正しい。夜間症状と気管支拡張薬への明らかな反応が合う。
c:慢性気管支炎という症状診断だけでは、今回の大きな可逆性を最もよく説明しない。
d:胸部X線や身体所見に心不全の根拠を欠き、気管支拡張薬で改善する閉塞性障害を認める。
e:睡眠時無呼吸だけでは日常の咳・痰と可逆性気流制限を説明できない。
覚えるポイント
可逆性は1秒率の差ではなく、FEV1の増加量と吸入前からの増加率で確認する。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。