第118回医師国家試験 D28(2024年)
正答:b
問題
19歳の男性。呼吸困難を主訴に来院した。一昨日から息切れを自覚した。本日から胸痛を伴う呼吸困難がみられるため受診した。意識は清明。体温37.2 °C。脈拍104/分、整。血圧98/62 mmHg。呼吸数22/分。SpO2 90 %(room air)。右呼吸音を聴取しない。胸部エックス線写真(別冊No.7)を別に示す。
胸腔ドレナージ後に起こる合併症で注意すべきなのはどれか。
a.乳び胸
b.肺水腫
c.不整脈
d.血栓塞栓症
e.反回神経損傷

正答の理由
胸部X線で右肺が大きく虚脱しており、右気胸と判断する。胸腔ドレナージによる再膨張後に注意する合併症は再膨張性肺水腫である。虚脱肺の急な再膨張などに伴う肺血管透過性の亢進が関与し、治療後に呼吸困難や低酸素血症が増悪することがある。
画像の見方
右胸郭の大部分で肺血管影が消失し、右肺は肺門寄りに著明に虚脱している。大きな右気胸であり、再膨張後の肺水腫に注意する状況と読み取れる。
各選択肢の検討
a:乳び胸は胸管の損傷などで生じ、大きな気胸の再膨張後に特有の合併症ではない。
b:正しい。再膨張性肺水腫に注意し、呼吸状態を監視する。
c:不整脈は全身状態や処置に伴って起こりうるが、この気胸の程度から特に問われる合併症ではない。
d:血栓塞栓症は肺の再膨張による典型的な合併症ではない。
e:反回神経損傷はこの処置で特に想定する合併症ではない。
覚えるポイント
大きく虚脱した肺では、ドレーン挿入後も酸素化を確認する。肺が広がれば観察終了とはしない。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。