第118回医師国家試験 C36(2024年)
正答:d
問題
69歳の男性。肉眼的血尿を主訴に来院した。1か月前から血尿が出現した。意識は清明。身長176 cm、体重86 kg。体温36.5 °C。脈拍68/分、整。血圧118/72 mmHg。腹部は平坦で、腫瘤を触知しない。
尿所見:蛋白(−)、糖(−)、ケトン体(−)、潜血3+、沈渣に赤血球を多数認めた。来院時の膀胱鏡像(別冊No.4A)と骨盤部造影CT(別冊No.4B)を別に示す。胸腹部CTと骨シンチグラフィで異常を認めない。
まず行うべき治療で適切なのはどれか。
a.殺細胞性抗癌薬
b.腎尿管全摘除術
c.BCG 膀胱内注入療法
d.経尿道的膀胱腫瘍切除術
e.免疫チェックポイント阻害薬


正答の理由
膀胱鏡で乳頭状腫瘍、CTで膀胱壁の局所的な腫瘤を認め、膀胱癌が疑われます。まず経尿道的膀胱腫瘍切除術〈TURBT〉を行い、腫瘍を切除するとともに病理組織型・異型度・筋層浸潤の有無を評価します。
画像の見方
膀胱鏡で絨毛状に突出する乳頭状腫瘍を認めます。造影CTでは膀胱右後側壁に局所的な隆起性病変がみられます。これだけで筋層浸潤の有無は確定できません。
各選択肢の検討
a.殺細胞性抗癌薬:病期やリスクを評価して適応を決めるもので、現段階の第一選択ではありません。
b.腎尿管全摘除術:上部尿路の尿路上皮癌などに用いる手術です。
c.BCG膀胱内注入療法:TURBT後のリスク評価に応じて行う治療で、切除・病理診断に先行しません。
d.経尿道的膀胱腫瘍切除術:正しい。初期治療と病理学的評価を兼ねます。
e.免疫チェックポイント阻害薬:進行例などの適応を検討する治療で、この段階では選びません。
覚えるポイント
画像だけで筋層非浸潤性と確定せず、適切な深さの組織を含む病理評価が必要です。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。