第118回医師国家試験 B29(2024年)
正答:a
問題
64歳の男性。夜間の盗汗、微熱および持続する咳嗽を主訴に来院した。4年前から関節リウマチで疾患修飾性抗リウマチ薬〈DMARD〉及び生物学的製剤で治療中である。1か月前から夜間の盗汗、微熱および咳嗽が出現した。症状が持続するため自宅近くの診療所を受診した。心音と呼吸音とに異常を認めない。胸部エックス線写真で右上肺野に空洞陰影を認めた。
この患者で空気感染予防策の必要性を判断する検査はどれか。
a.喀痰抗酸菌染色
b.喀痰抗酸菌培養
c.ツベルクリン反応
d.気管支肺胞洗浄〈BAL〉培養
e.結核菌特異的全血インターフェロンガンマ遊離測定法〈IGRA〉
正答の理由
aの喀痰抗酸菌染色です。免疫抑制治療中で、盗汗、微熱、咳嗽と上肺野の空洞影があり、肺結核を強く疑います。喀痰塗抹で抗酸菌を迅速に調べ、感染性の評価に用います。ただし結核を疑った時点で空気感染予防策を開始し、検査結果を待って対策するものではありません。
各選択肢の検討
a.喀痰抗酸菌染色:排菌を迅速に把握でき、感染性の評価に役立ちます。陽性のみで結核菌と断定せず核酸検査・培養も行います。
b.喀痰抗酸菌培養:確定診断と薬剤感受性評価に重要ですが、結果に時間がかかります。
c.ツベルクリン反応:感染に対する免疫反応であり、現在の排菌や感染性は判断できません。
d.BAL培養:喀痰が得られない場合などに検討しますが、侵襲やエアロゾル発生があり、まず行う迅速評価ではありません。
e.IGRA:結核感染の免疫学的検査で、活動性や排菌の有無を直接示しません。
覚えるポイント
空洞影と咳嗽がある結核疑いでは、陰圧室やN95などの対策を速やかに行います。塗抹陰性1回で解除とはしません。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。