第118回医師国家試験 A28(2024年)
正答:d
問題
生後10か月の男児。嘔吐を主訴に両親に連れられて来院した。在胎39週、体重2,980 gで出生した。離乳食を食べると嘔吐するという。体重6,840 g。体温36.9 °C。心拍数92/分。血圧90/56 mmHg。呼吸数20/分。食道24時間pHモニタリング検査を行い、高度の胃食道逆流症を認めた。上部消化管造影の正面像(別冊No.11A)と側面像(別冊No.11B)を別に示す。
この患児の診断はどれか。
a.胃軸捻転
b.食道憩室
c.食道アカラシア
d.食道裂孔ヘルニア
e.先天性横隔膜ヘルニア


正答の理由
造影で胃の近位部と胃食道接合部が横隔膜より頭側に位置し、下方の胃へ連続しています。高度の胃食道逆流を伴い、滑脱型の食道裂孔ヘルニアが適切です。
画像の見方
下部食道に連続する近位胃が横隔膜より頭側にあり、その下に腹腔内の胃が続きます。側面像でも胸腔側の嚢状部分に胃の粘膜襞を認めます。
各選択肢の検討
a.胃軸捻転:胃が軸を中心にねじれる病態で、この食道胃接合部の頭側偏位を主とする像とは異なります。
b.食道憩室:食道壁の局所的な袋状突出であり、胃粘膜襞を伴う胃の脱出とは異なります。
c.食道アカラシア:食道拡張と接合部の通過障害が主体で、高度逆流を伴う本像ではありません。
d.食道裂孔ヘルニア:正しい。胃食道接合部と近位胃が食道裂孔を通って頭側へ偏位しています。
e.先天性横隔膜ヘルニア:通常は食道裂孔以外の欠損を通る腸管などの脱出で、本例の像とは異なります。
覚えるポイント
食道裂孔ヘルニアは下部食道の逆流防止機構を障害し、嘔吐や体重増加不良に関係することがあります。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。