第117回医師国家試験 F56(2023年)
正答:a・c
問題
75歳の男性。血痰を主訴に来院した。血痰は3か月前から出現し、最近、量、回数ともに増加している。生来健康で、昨年の検診では異常を指摘されなかった。体温36.0 °C。脈拍76/分、整。血圧128/72 mmHg。呼吸数16/分。SpO2 97 % (room air)。胸痛はない。呼吸音に異常を認めない。口腔内と咽頭とに異常を認めない。胸部エックス線写真と胸部CTで異常を認めない。
次に行う検査として正しいのはどれか。2つ選べ。
a.喀痰細胞診
b.縦隔鏡検査
c.気管支鏡検査
d.胸腔鏡下肺生検
e.肺動脈造影検査
正答の理由
高齢者で血痰が3か月続き、増えているため、胸部写真やCTに明らかな異常がなくても原因精査が必要です。気管支粘膜の早期病変などを考え、喀痰細胞診と気管支鏡検査を行います。陰性の画像や細胞診だけで悪性疾患を完全に否定しません。
各選択肢の検討
a.正しい。喀痰中の悪性細胞の有無を調べる非侵襲的な検査です。陰性でも除外にはなりません。
b.縦隔リンパ節等を調べる侵襲的検査で、本例の次の検査には選びません。
c.正しい。気道内を直接観察し、病変があれば生検や細胞診を検討します。
d.末梢肺の標的病変が示されておらず、まず行う検査ではありません。
e.肺血管病変を疑う根拠が示されておらず、本問で優先する検査ではありません。
覚えるポイント
症状が持続する人の診断検査と、無症状の集団に対する肺癌検診の推奨を混同しない。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。