失神を伴う徐脈に対するアトロピン|第117回医師国家試験E7

第117回医師国家試験 E7(2023年)

正答:a

問題

失神している患者の心電図モニターの波形(別冊No.2)を別に示す。

直ちに投与すべきなのはどれか。

a.アトロピン

b.アドレナリン

c.ジアゼパム

d.ベラパミル

e.リドカイン

P波に続くQRSが脱落し長い心室休止を伴う徐脈
別冊No.2:心電図モニター波形 / 出典:厚生労働省・第117回E別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

心電図ではQRSの脱落を伴う長い心室停止と徐脈を認め、失神を来す徐脈性不整脈です。選択肢ではまずアトロピンを投与するaが適切です。房室伝導障害が疑われ、効果が乏しい場合に備えて経皮ペーシング等を準備し、緊急循環管理を遅らせません。

画像の見方

P波がみられる一方、QRSが続かず数秒間心室収縮が途切れる部分があります。少数のQRSによる徐脈となっており、失神の原因となる房室伝導障害を疑います。記録速度は25 mm/秒です。

各選択肢の検討

a.正しい。迷走神経作用を抑え、心拍数・房室伝導の改善を図ります。

b.アトロピンが無効な不安定徐脈では持続投与等を検討することがありますが、提示選択肢の初期薬はaです。

c.けいれん等に用いる薬で、徐脈による失神への原因治療ではありません。

d.房室伝導を抑えるため、徐脈・房室ブロックを悪化させ得ます。

e.主に心室性不整脈に用いる薬で、今回の徐脈を改善する第一選択ではありません。

覚えるポイント

失神を伴う徐脈はアトロピンと、必要時の迅速なペーシングを考える。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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