第117回医師国家試験 D51(2023年)
正答:d・e
問題
8歳の男児。38.8 ℃の発熱を主訴に母親に連れられて来院した。2歳ごろから時々高熱をきたし、自宅近くの医療機関で経口抗菌薬による保存的治療を受けていた。尿所見:蛋白1+、糖(−)、ケトン体(−)、潜血1+、沈渣に赤血球1〜4/HPF、白血球50〜99/HPFを認める。尿路感染と診断し、入院のうえ、セフェム系抗菌薬の点滴治療を行った。解熱後に行った排尿時膀胱尿道造影像(別冊No.19)を別に示す。
この患児について正しいのはどれか。2つ選べ。
a.染色体検査を行う。
b.両側に腎瘻を造設する。
c.両側に尿管カテーテルを留置する。
d.腎盂腎炎の予防に抗菌薬を投与する。
e.99mTc-DMSA腎シンチグラフィを行う。

正答の理由
排尿時造影で膀胱から両側の尿管・腎盂腎杯へ造影剤が逆流しており、膀胱尿管逆流を認めます。反復する発熱性尿路感染があるため、抗菌薬による再発予防を検討し、DMSA腎シンチグラフィで腎皮質障害や瘢痕を評価します。治療は逆流の程度、腎障害、排尿・排便機能等で個別化します。
画像の見方
膀胱から両側尿管、腎盂腎杯まで造影され、尿管と腎盂腎杯の拡張を認めます。膀胱尿管逆流を示す所見で、反復する発熱性尿路感染と腎障害を評価する必要があります。
各選択肢の検討
a.この所見に対して一律に染色体検査を行う根拠はありません。
b.閉塞や緊急の尿路ドレナージを要する状態は示されていません。
c.逆流に対する基本的な長期管理として両側尿管カテーテルは選びません。
d.正しい。発熱性尿路感染の反復や逆流リスクを踏まえ、予防投与を行います。
e.正しい。腎実質機能や瘢痕の評価に用います。
覚えるポイント
膀胱尿管逆流では感染再発を防ぎ、腎瘢痕と分腎機能を評価する。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。