第117回医師国家試験 D38(2023年)
正答:採点対象から除外(公式正答なし)
問題
65歳の男性。乳房の腫脹と痛みを主訴に来院した。5年前から泌尿器科で抗男性ホルモン薬による前立腺癌の治療を受けている。1年前から高血圧症でカルシウム拮抗薬を、肝硬変で利胆薬と抗アルドステロン薬を内服している。2か月前から乳房の腫脹と痛みが出現し、持続しているため受診した。体温36.7 °C。脈拍96/分、整。血圧144/80 mmHg。眼瞼結膜に異常を認めない。柔らかな甲状腺腫を触知する。心音と呼吸音とに異常を認めない。両側の乳房に腫大を認めるが、熱感や発赤は認めない。乳頭部分が下着に当たると軽い痛みがある。乳汁分泌は認めない。乳房の写真(別冊No. 13)を別に示す。
この患者の乳房腫大の原因で可能性が低いのはどれか。
a.肝機能障害の進行
b.甲状腺機能亢進症
c.抗男性ホルモン薬治療
d.カルシウム拮抗薬の内服
e.抗アルドステロン薬の内服

正答の理由
厚生労働省はこの問題を「設問が不明確で正解が得られないため」採点対象から除外しています。公式正答はありません。以下は参考解説です。肝疾患、甲状腺機能亢進症、抗男性ホルモン薬、抗アルドステロン薬などは女性化乳房の原因となり得ます。カルシウム拮抗薬でも報告があり、一律に原因ではないとはいえません。
画像の見方
乳頭・乳輪周囲の乳房組織が膨らんでいます。写真だけで原因薬剤やホルモン異常を特定することはできません。
各選択肢の検討
a.肝機能障害の進行:参考。肝疾患では性ホルモン代謝などの変化が関係します。
b.甲状腺機能亢進症:参考。性ホルモン結合やホルモンバランスの変化が関係します。
c.抗男性ホルモン薬治療:参考。アンドロゲン作用の抑制により起こり得ます。
d.カルシウム拮抗薬の内服:参考。カルシウム拮抗薬でも女性化乳房の報告があり、原因を一律に除外できません。
e.抗アルドステロン薬の内服:参考。特にスピロノラクトンで女性化乳房が知られます。
覚えるポイント
採点除外の公式理由を確認し、薬剤性女性化乳房を単純に二分しない。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。