第117回医師国家試験 C58(2023年)
正答:d・e
問題
29歳の男性。職場健診で胸部エックス線写真の異常陰影を指摘され、精査目的に来院した。3か月前に海外から来日し、近隣の工場で勤務している。来日前は大きな病気にかかったことはないが、最近、咳き込むことがあるという。職場から提供されたアパートで同郷の3人と共同生活をしている。血液検査で結核菌特異的全血インターフェロンγ遊離測定法〈IGRA〉が陽性であった。
この患者の結核菌感染の診断確定に必要なのはどれか。2つ選べ。
a.胸部単純CT
b.胸部単純MRI
c.ツベルクリン反応
d.喀痰結核菌培養検査
e.喀痰結核菌PCR検査
正答の理由
咳嗽と胸部異常陰影があり、活動性肺結核を疑います。IGRA陽性だけでは潜在性の感染と活動性の結核を区別できないため、喀痰から結核菌を検出する培養と核酸増幅検査を行います。
各選択肢の検討
a.胸部単純CT:病変の分布や性状を調べる補助検査ですが、菌の存在の確定にはなりません。
b.胸部単純MRI:肺結核の微生物学的診断を確定する検査ではありません。
c.ツベルクリン反応:免疫反応を見る検査で、活動性と潜在性を区別する目的には使えません。
d.喀痰結核菌培養検査:正しい。結核菌の培養陽性は活動性結核の確認につながり、薬剤感受性評価にも役立ちます。
e.喀痰結核菌PCR検査:正しい。検体中の結核菌核酸を比較的速やかに検出します。
覚えるポイント
疑った時点から空気感染対策も検討します。核酸検査が陰性でも臨床的疑いが強ければ、それだけで否定しません。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。