第117回医師国家試験 C44(2023年)
正答:d
問題
6歳の女児。乳房が大きくなってきたことが心配で母親に連れられて来院した。身長124.1 cm(+2.1 SD)、体重29.5 kg(+2.2 SD)。陰毛、腋毛は認めない。
診断のために行うべきものとして適切でないのはどれか。
a.頭部MRI
b.成長曲線の確認
c.腹部超音波検査
d.アルギニン負荷試験
e.手根骨エックス線撮影
正答の理由
6歳で乳房発育があり、身長も高いため思春期早発症を疑い、発育速度や骨年齢、性腺・中枢神経の原因を評価します。アルギニン負荷試験は主に成長ホルモン分泌能の評価に用い、思春期早発症の診断のための検査ではありません。
各選択肢の検討
a.頭部MRI:中枢性の原因病変を検索する検査として位置付けられます。ただし年齢・神経症状・進行速度等に応じて適応を判断し、全例必須とはしません。
b.成長曲線の確認:身長の伸びが年齢に比べて加速していないかを確認します。
c.腹部超音波検査:卵巣・子宮の発育、卵巣病変等を調べる際に用います。
d.アルギニン負荷試験:正答。成長ホルモン分泌刺激試験であり、性腺刺激ホルモンの評価とは異なります。
e.手根骨エックス線撮影:骨年齢を評価し、骨成熟の進行を調べます。
覚えるポイント
乳房発育のみで確定せず、発育経過と内分泌評価を合わせます。中枢性の評価には基礎LHや必要に応じGnRH系の負荷試験を用います。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第117回医師国家試験問題および正答
- 日本小児内分泌学会:思春期早発症
- Pediatric Endocrine Society:Child with Suspected Sexual Precocity
- Endocrine Society:中枢性思春期早発症診療ガイドライン(2026年、MRI適応の補足)
- 厚生労働省:成長ホルモン分泌刺激試験(2026年2月6日検討会議事録)
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。