第117回医師国家試験 C40(2023年)
正答:e
問題
6月上旬のある日。午後1時過ぎに、近所の小学校の校庭で遊んでいた児童数名が、頭痛、咽頭痛、咳、強い目の刺激を訴えて来院した。いずれの児童も意識清明、体温は36 ℃台。眼球結膜に軽度発赤を認める。発汗を認める。天気は快晴、気温31.2 ℃、湿度60%、微風であった。小学校のある地域は、自動車の交通量が多く、市が指定するごみの焼却施設が10 km離れたところにある。
原因として最も可能性の高いのはどれか。
a.輻射熱
b.一酸化炭素
c.ダイオキシン
d.微小粒子状物質
e.光化学オキシダント
正答の理由
晴天で気温が高く風が弱い日の午後に、屋外で目や咽頭の刺激症状が集団発生しており、光化学オキシダントによる健康被害を考えます。自動車等からの窒素酸化物や揮発性有機化合物が日射を受けて反応し、オゾン等を生じます。
各選択肢の検討
a.輻射熱:熱中症の要因ですが、眼・咽頭への強い刺激を伴う集団発生の説明としては劣ります。
b.一酸化炭素:頭痛や意識障害等を起こしますが、強い粘膜刺激は典型的ではありません。
c.ダイオキシン:焼却施設があるという情報だけで原因とは判断できず、今回の急性粘膜刺激を説明しにくいものです。
d.微小粒子状物質:呼吸器・循環器への健康影響はありますが、気象条件と症状の組合せでは光化学オキシダントが最も合います。
e.光化学オキシダント:正しい。眼・気道の刺激と、強い日射・弱風という条件が一致します。
覚えるポイント
光化学オキシダントは発生源からそのまま出る物質ではなく、大気中の光化学反応で増えます。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。