過多月経に伴う鉄欠乏性貧血|第117回医師国家試験B48

第117回医師国家試験 B48(2023年)

正答:c

問題

39歳の女性。動悸と息切れを主訴に来院した。

現病歴:半年前から月経量が増え、3か月前から階段昇降時に動悸と息切れを自覚するようになったため受診した。

既往歴:特記すべきことはない。

生活歴:会社員。一人暮らし。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。

家族歴:特記すべきことはない。

月経歴:初経13歳。周期28日型、持続10日間。

現症:意識は清明。身長154 cm、体重57 kg。体温36.4 °C。脈拍96/分、整。血圧126/80 mmHg。呼吸数18/分。SpO2 98 %(room air)。眼瞼結膜は貧血様である。甲状腺腫と頸部リンパ節とを触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。肝・脾を触知しない。下腹部は軽度膨隆している。内診で、径10 cmの腫瘤を触知する。神経診察で異常を認めない。

ある論文に掲載されている眼瞼結膜所見別の貧血患者数の表を示す。

血液検査を行ったところ、以下の結果が得られた。

血液所見:赤血球371万、Hb 8.5 g/dL、Ht 29 %、白血球4,100、血小板29万。

血液生化学所見:総蛋白6.9 g/dL、アルブミン4.5 g/dL、総ビリルビン0.9 mg/dL、AST 32 U/L、ALT 32 U/L、LD 173 U/L(基準120〜245)、ALP 106 U/L(基準38〜113)、尿素窒素11 mg/dL、クレアチニン0.8 mg/dL、血糖93 mg/dL、総コレステロール189 mg/dL、Na 139 mEq/L、K 4.0 mEq/L、Cl 102 mEq/L。CRP 0.7 mg/dL。

この患者で認めるのはどれか。

眼瞼結膜 貧血あり(50名) 貧血なし(240名)
貧血様 24名 50名
正常 26名 190名

a.血清鉄高値

b.網赤血球数低値

c.血清フェリチン低値

d.血清不飽和鉄結合能低値

e.トランスフェリン飽和度高値

正答の理由

過多月経による慢性出血、貧血と小球性の指標から鉄欠乏性貧血を考えます。MCVは29×10÷3.71=約78 fLです。貯蔵鉄の減少を反映する血清フェリチン低値を選びます。骨盤内腫瘤と過多月経の原因を婦人科的に評価することも必要です。

各選択肢の検討

鉄欠乏では血清鉄は低下するのが基本です。

未治療の鉄欠乏では貧血に見合う十分な網赤血球反応が得られないことがありますが、絶対数が一律に低値になるとは限りません。本例で最も直接的なのは貯蔵鉄の低下です。

正しい。貯蔵鉄の枯渇により低下します。ただし炎症時には見かけ上上昇することにも注意します。

不飽和鉄結合能は通常上昇します。

血清鉄の低下と鉄結合能の上昇により、通常低下します。

覚えるポイント

慢性出血と小球性貧血では鉄欠乏を考え、フェリチンと出血原因を評価する。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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