第117回医師国家試験 A75(2023年)
正答:h
問題
動脈血ガス分析(room air)の結果を示す。
単純性の酸塩基平衡障害として、最初の変化(1次性変化)と代償性変化(2次性変化)の組合せで正しいのはどれか。
| pH | PaCO2(Torr) | PaO2(Torr) | HCO3−(mEq/L) |
|---|---|---|---|
| 7.48 | 52 | 72 | 37 |
a.呼吸性アシドーシス ── なし
b.呼吸性アシドーシス ── あり
c.呼吸性アルカローシス ── なし
d.呼吸性アルカローシス ── あり
e.代謝性アシドーシス ── なし
f.代謝性アシドーシス ── あり
g.代謝性アルカローシス ── なし
h.代謝性アルカローシス ── あり
正答の理由
pH7.48はアルカレミアで、HCO3−37 mEq/Lの増加がその方向に働くため、一次性変化は代謝性アルカローシスです。PaCO2 52 Torrの上昇はpHを下げる方向の低換気性代償です。したがって一次性変化が代謝性アルカローシス、代償性変化ありのhを選びます。
各選択肢の検討
a.PaCO2は上昇していますが、アルカレミアの一次性変化として呼吸性アシドーシスは合いません。
b.呼吸性アシドーシスの腎性代償では、通常pHは酸性側から正常へ近づき、アルカレミアへの過剰な補正はしません。
c.呼吸性アルカローシスならPaCO2は低下します。
d.PaCO2は上昇しているため、一次性の呼吸性アルカローシスではありません。
e.HCO3−は低下せず増加しており、代謝性アシドーシスではありません。
f.代謝性アシドーシスならHCO3−低下とPaCO2低下の代償が基本です。
g.代謝性アルカローシスは合いますが、PaCO2上昇の代償も認めます。
h.正しい。HCO3−の一次性増加に対し、低換気でPaCO2が増加しています。
覚えるポイント
酸塩基はpH、HCO3−、PaCO2の方向をそろえて読み、代償を別の一次性障害と混同しません。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第117回医師国家試験問題および正答
- National Kidney Foundation:代謝性アルカローシスCore Curriculum2022
- AJKD:Metabolic Alkalosis Core Curriculum 2022(原著抄録)
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。