第117回医師国家試験 A52(2023年)
正答:e
問題
48歳の女性。鼻閉を主訴に来院した。数年前から鼻閉と嗅覚低下があり、風邪をひくと悪化した。鎮痛薬で気管支喘息を起こしたことがあった。左鼻腔の内視鏡像(別冊No.25A)を別に示す。右鼻腔も同様の所見である。副鼻腔単純CTの水平断像(別冊No.25B)と冠状断像(別冊No.25C)とを別に示す。
治療として最も適切なのはどれか。
a.減感作療法
b.抗真菌薬投与
c.抗ウイルス薬投与
d.拡大上顎全摘出術
e.内視鏡下鼻副鼻腔手術



正答の理由
両側鼻茸、嗅覚低下、広範な副鼻腔陰影と鎮痛薬で誘発された喘息から、NSAIDs過敏喘息を伴う好酸球性副鼻腔炎を疑います。選択肢の中では内視鏡下鼻副鼻腔手術が適切です。実臨床ではステロイド等の薬物療法、喘息管理、術後の再発予防も組み合わせます。
画像の見方
鼻腔には表面平滑なポリープ状病変がみられます。CTでは両側の鼻腔・篩骨洞や上顎洞に広い軟部陰影を認め、両側鼻茸を伴う副鼻腔炎を支持します。好酸球性かどうかの最終評価には臨床所見や組織所見などを合わせます。
各選択肢の検討
a.通常のアレルゲン免疫療法は、この病態の第一選択ではありません。NSAIDs脱感作とは別の治療です。
b.真菌感染を示す所見はなく、好酸球性副鼻腔炎の標準治療ではありません。
c.慢性鼻茸性副鼻腔炎の治療にはなりません。
d.悪性腫瘍に対するような拡大切除を行う病態ではありません。
e.正しい。鼻茸・病変を処置して副鼻腔の換気と排泄を改善し、術後薬物療法につなげます。
覚えるポイント
鼻茸・嗅覚障害・喘息の組合せでは、好酸球性副鼻腔炎とNSAIDs過敏を評価します。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。