第117回医師国家試験 A50(2023年)
正答:b
問題
36歳の女性。左耳の聞こえにくさを主訴に来院した。数年前から左耳漏を繰り返していた。最近、聴力が低下してきたため受診した。左鼓膜所見(別冊No.23 A)と側頭骨単純CTの冠状断像(別冊No.23B)とを別に示す。
治療として適切なのはどれか。
a.抗菌薬投与
b.鼓室形成術
c.鼓膜形成術
d.鼓膜切開術
e.鼓膜チューブ留置術


正答の理由
反復する耳漏と進行する難聴があり、鼓膜弛緩部の陥凹・痂皮とCTでの上鼓室軟部陰影・骨破壊から真珠腫性中耳炎を考えます。病変を摘出し、必要に応じて耳小骨伝音系を再建する鼓室形成術が適切です。
画像の見方
鼓膜上部の陥凹した部位に痂皮・角化物様の付着を認めます。CTでは左上鼓室に軟部陰影があり、右側と比べて周囲骨が不明瞭で、真珠腫性中耳炎を考える所見です。
各選択肢の検討
a.二次感染への補助治療にはなりますが、真珠腫自体を除去できません。
b.正しい。真珠腫の除去と伝音系の再建を行います。
c.鼓膜穿孔を閉鎖するだけでは、鼓室内の真珠腫を治療できません。
d.急性中耳炎などでの排液処置であり、真珠腫除去には不十分です。
e.滲出性中耳炎などに用いられますが、真珠腫の根治治療ではありません。
覚えるポイント
骨を破壊しながら進展する真珠腫では、感染の抑制だけでなく病変の摘出が必要です。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。