長い経過で隆起した小結節と母斑細胞巣|第117回医師国家試験A39

第117回医師国家試験 A39(2023年)

正答:d

問題

50歳の男性。右頰部の皮疹を主訴に来院した。約10年前から徐々に隆起してきた。自然に出血はしない。瘙痒と疼痛はない。右鼻唇溝に直径5 mmの隆起した黒褐色の結節を認める。右頸部リンパ節の腫脹は認めない。結節を切除した。術前の右鼻唇溝部の写真(別冊No.15A)と切除検体のH‐E染色標本(別冊No.15B)とを別に示す。

診断はどれか。

a.Bowen病

b.悪性黒色腫

c.基底細胞癌

d.色素性母斑

e.脂漏性角化症

小型の半球状黒褐色結節。
別冊No.15A:右鼻唇溝 / 出典:厚生労働省・第117回A別冊(原本の該当ページ)
比較的均一な母斑細胞の胞巣が真皮に分布。
別冊No.15B:H-E染色 / 出典:厚生労働省・第117回A別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

約10年の緩徐な経過で生じた小さな黒褐色結節で、組織では比較的均一な母斑細胞が胞巣を形成して表皮真皮境界部から真皮内へ分布しています。外観と組織像を合わせ、色素性母斑と判断します。

画像の見方

右鼻唇溝に比較的対称な小型の黒褐色隆起性結節を認めます。組織では表皮真皮境界部から真皮にかけて比較的均一な細胞からなる胞巣が多数あり、メラニン色素を伴う母斑細胞性病変として捉えます。

各選択肢の検討

a.表皮内の角化細胞の異型を主体とする病変で、母斑細胞巣とは異なります。

b.高度の細胞異型や不規則な増殖などを評価しますが、本例は均一な母斑細胞巣が主体です。

c.基底細胞様細胞の胞巣と辺縁柵状配列などが特徴で、提示像では母斑細胞の増殖を考えます。

d.正しい。長い経過と比較的均一な母斑細胞の胞巣形成が合致します。

e.角化と表皮肥厚、角質嚢腫などを特徴とする病変で、本例の細胞巣とは異なります。

覚えるポイント

黒い結節だけで良悪性を判断せず、変化の速さ、形状、ダーモスコピー、必要時の病理を合わせます。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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