第117回医師国家試験 A22(2023年)
正答:b
問題
21歳の男性。胸郭の変形を主訴に来院した。3歳ごろから変形が目立ち、人前で着替えることを恥ずかしいと思っている。体温36.8 °C。脈拍84/分、整。血圧120/68 mmHg。呼吸数18/分。SpO2 98 % (room air)。胸骨陥凹があり呼吸性に変動しない。皮膚の発赤、腫脹および熱感はない。胸部に圧痛を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。胸部単純CT(別冊No.5)を別に示す。
考えられる疾患はどれか。
a.鳩胸
b.漏斗胸
c.骨軟骨腫
d.肋軟骨炎
e.結核性脊椎炎

正答の理由
幼少時から胸骨の陥凹があり、CTでも前胸壁・胸骨が後方へ落ち込み、胸郭の前後径が短くなっています。呼吸性変動や炎症徴候がない固定性の胸郭変形であり、漏斗胸です。
画像の見方
胸部横断CTで胸骨を含む前胸壁中央が深く後方へ陥凹し、胸郭の前後径が著しく短くなっています。心臓の位置にも影響する形態で、漏斗胸に合致します。
各選択肢の検討
a.胸骨が前方へ突出する変形で、陥凹する本例とは逆です。
b.正しい。胸骨を中心とする前胸壁の陥凹を認めます。
c.限局した骨性隆起・腫瘤を来す病変で、この胸郭全体の陥凹を説明しません。
d.圧痛などの疼痛性炎症所見が主体で、幼少時からの固定性陥凹とは異なります。
e.椎体破壊や脊柱後弯などを来す疾患で、提示CTは胸骨陥凹です。
覚えるポイント
変形の程度だけでなく、心肺への圧迫や運動時症状、心理面への影響も評価します。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。