第117回医師国家試験 A19(2023年)
正答:c
問題
43歳の女性。めまいを主訴に来院した。約30分持続する回転性めまいを反復する。めまいの際に右耳の耳閉感とジーという耳鳴を伴う。鼓膜に異常を認めない。純音聴力検査で右耳に中等度の感音難聴を認める。頭位眼振検査で左向き水平眼振を認める。頭部MRIで異常を認めない。
治療として適切なのはどれか。
a.水分制限
b.頭位治療
c.利尿薬投与
d.抗ウイルス薬投与
e.ガンマグロブリン投与
正答の理由
30分続く回転性めまいを反復し、同側の耳閉感・耳鳴・感音難聴を伴うことからMénière病を考えます。内リンパ水腫への対応として利尿薬を用いることがあり、選択肢ではcです。
各選択肢の検討
a.脱水を招く一律の水分制限は標準治療ではありません。食事・水分摂取などの生活指導は個別に行います。
b.耳石置換法などは良性発作性頭位めまい症に対する治療で、本例の診断とは異なります。
c.正しい。利尿薬は発作予防・症状軽減を目的とする治療選択肢です。
d.Ménière病の標準的薬物療法ではありません。
e.本例で免疫グロブリン投与を選ぶ根拠はありません。
覚えるポイント
利尿薬の効果にはエビデンス上の限界があり、診断・症状・併存症に応じて治療を選択します。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第117回医師国家試験問題および正答
- AAO-HNS:Clinical Practice Guideline Ménière’s Disease2020
- AAO-HNSガイドライン本文:維持療法として利尿薬を選択可
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。