耳硬化症の気骨導差とCarhart notch|第116回医師国家試験F37

第116回医師国家試験 F37(2022年)

正答:a

問題

45歳の女性。両側の難聴と耳鳴を主訴に来院した。難聴は25歳ごろから自覚し、徐々に増悪している。35歳ごろから耳鳴を伴うようになった。両側の鼓膜に異常を認めない。オージオグラム(別冊No.4)を別に示す。

最も考えられるのはどれか。

a.耳硬化症

b.聴神経腫瘍

c.滲出性中耳炎

d.メニエール病

e.若年発症型両側性感音難聴

両側の気導閾値上昇、気骨導差と2,000Hzの骨導閾値の落ち込みを示す聴力図
別冊No.4:オージオグラム / 出典:厚生労働省・第116回F別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

正常な鼓膜で、若年成人から徐々に進む両側難聴があり、オージオグラムでは大きな気骨導差を認めます。さらに2,000 Hzの骨導閾値が局所的に悪化するCarhart notchを認め、アブミ骨の可動性が低下する耳硬化症が最も考えられます。Carhart notchは耳小骨の固定を支持する所見で、これだけで確定するものではありません。

画像の見方

○・×の気導閾値はおおむね55〜70 dB、括弧状の骨導記号はおおむね20〜35 dBで、両側に明らかな気骨導差があります。2,000 Hzでは骨導閾値が周囲の周波数より悪化しており、Carhart notchを示します。感音難聴だけでなく、中耳の音伝導障害を考える図です。

各選択肢の検討

a.正しい。アブミ骨の固着などによる伝音難聴が典型で、耳鳴も生じ得ます。

b.通常は感音難聴で、片側性が多く、本例の明瞭な気骨導差とは合いません。

c.伝音難聴を来しますが、鼓膜の混濁・陥凹・貯留液などを認めることが一般的です。

d.反復するめまいと変動する感音難聴が典型で、本例の気骨導差を説明しません。

e.感音難聴では骨導も気導とともに低下し、通常はこの大きな気骨導差を呈しません。

覚えるポイント

正常鼓膜+進行性伝音難聴+Carhart notchでは耳硬化症を考える。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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