第116回医師国家試験 F28(2022年)
正答:c・e
問題
新生児期の基準値が成人期より高いのはどれか。2つ選べ。
a.IgM
b.総蛋白
c.総ビリルビン
d.クレアチニン
e.アルカリフォスファターゼ
正答の理由
新生児では赤血球の代謝と肝でのビリルビン処理の未熟性などから、生理的に総ビリルビンが成人より高くなる時期があります。また骨形成が盛んなため、アルカリフォスファターゼ〈ALP〉も成人より高い年齢別基準範囲をとります。新生児の値は日齢、在胎週数、測定法を踏まえて判断します。
各選択肢の検討
a.高くありません。IgMは胎盤をほとんど通過せず、新生児自身の産生も未熟です。母体由来IgGとは区別します。
b.高くありません。一般に蛋白の年齢別基準範囲は成人より低めです。
c.正しい。生後数日には生理的に上がりますが、日齢別の治療基準を超える上昇、早期黄疸、直接ビリルビン上昇等を正常として扱ってはいけません。
d.選びません。出生直後は母体の値を反映し、その後低下します。新生児期全体で成人より高い基準値をとるという説明は適切ではありません。
e.正しい。成長に伴う骨由来ALPなどの影響で、成人より高い基準範囲となります。測定法をそろえて比較します。
覚えるポイント
新生児の検査は成人の基準値を流用せず、日齢・在胎週数を含む年齢別基準で読む。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第116回医師国家試験問題および正答
- アイオワ大学:小児基準範囲(ビリルビンの日齢別値)
- アイオワ大学:ALP年齢別基準範囲
- アイオワ大学:IgM年齢別基準範囲
- アイオワ大学:クレアチニンの新生児・成人基準範囲
- National Jewish Health検査室:総蛋白の年齢別基準範囲
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。