呼吸で増悪する胸痛と広範なST変化|第116回医師国家試験E38

第116回医師国家試験 E38(2022年)

正答:c

問題

A 21-year-old previously healthy man presented to the emergency room with chest pain, which was worse on breathing, lasting for two days.

Lung and heart examinations were unremarkable. Chest X-ray(別冊No. 3A) and ECG(別冊No. 3B) are shown in the figure.

What is the most likely diagnosis?

a.Herpes zoster

b.Myocardial infarction

c.Pericarditis

d.Pneumothorax

e.Pulmonary embolism

若年男性の胸部正面写真。明らかな気胸や心拡大を認めない
別冊No.3A:胸部エックス線写真 / 出典:厚生労働省・第116回E別冊(原本の該当ページ)
複数誘導にST上昇とPR変化を認める心電図
別冊No.3B:心電図(向きを整えて掲載) / 出典:厚生労働省・第116回E別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

呼吸で増悪する胸痛と、冠動脈の一領域だけに限局しないST上昇・PR変化から急性心膜炎を考えます。胸部エックス線写真に明らかな気胸はありません。診断では心エコー、炎症反応や心筋障害マーカー等も評価し、胸痛だけで確定しません。

画像の見方

胸部写真に明らかな気胸や心拡大はありません。心電図ではII・aVFやV2〜V6等に広くST上昇を認め、PR低下もみられます。呼吸で増悪する胸痛と合わせて心膜炎を考えます。

各選択肢の検討

a.皮膚の発疹・皮節に沿う痛みが手掛かりですが、本例の心電図所見を説明しません。

b.胸痛の鑑別として重要ですが、典型的な冠動脈支配域に限局するST変化とは異なります。

c.正しい。胸膜刺激様の胸痛と広い範囲のST・PR変化が支持します。

d.胸部写真に胸膜線と末梢肺紋理消失を示す明らかな気胸はありません。

e.リスクや臨床所見を含め評価しますが、本例は心電図と胸痛から心膜炎が最も合います。

覚えるポイント

心膜炎では呼吸で増悪する胸痛と広い範囲のST・PR変化に注目。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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