第116回医師国家試験 D26(2022年)
正答:d
問題
39歳の男性。複視を主訴に来院した。長時間のトラック運転中に、センターラインが二重に見えることがある。視力は両眼ともに裸眼で1.2であり、前眼部、眼底に異常を認めない。ペンライトと遮閉板を用いて遮閉試験を行ったところ、図(別冊No.4)のような右眼の動きがみられた。左眼も遮閉により同様の動きを示した。
病態の説明として正しいのはどれか。
a.遠視に起因する。
b.頭蓋内病変が原因である。
c.動眼神経麻痺を伴っている。
d.間欠性外斜視に認められる。
e.遮閉時に内向きの眼位ずれがある。

正答の理由
両眼を開けていると眼位はそろっていますが、遮閉を外した直後は右眼が外にずれており、すばやく内側へ動いて固視を回復します。遮閉で融像が外れると外方偏位が現れる所見で、外斜位や間欠性外斜視でみられます。疲労時などに融像の維持が難しくなり複視を自覚する経過も合います。図だけで恒常的な外斜視や神経麻痺を断定しません。
画像の見方
両眼開放時には角膜中央に反射がみられます。右眼の遮閉を外した直後は右眼が外方へ偏位し、矢印の内側へ動いて眼位がそろいます。外方偏位を融像で戻す運動です。
各選択肢の検討
a.遠視に伴う調節性内斜視とは眼位ずれの方向が異なります。
b.本所見だけから頭蓋内病変を原因と断定することはできません。
c.複視だけで神経麻痺とはいえず、遮閉解除後に眼位を戻す運動は融像性の調節を示します。
d.正しい。両眼視で制御されていた外方偏位が遮閉で顕在化します。
e.逆です。内向きに戻るのは、遮閉中に外向きにずれていたことを示します。
覚えるポイント
遮閉解除後に内転して固視へ戻るなら、遮閉中のずれは外向き。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。