思春期早発症の骨年齢・頭蓋内病変評価|第116回医師国家試験C56

第116回医師国家試験 C56(2022年)

正答:a・e

問題

6歳6か月の女児。約1年前から乳房腫大に気づかれていたが、次第に目立ってきたため母親に連れられて来院した。

身長127 cm、体重26 kg。体温36.3 ℃。外表に異常を認めず、甲状腺腫を触知しない。心音と呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦で、肝・脾を触知しない。乳房の成熟度は両側ともTanner分類でⅢ度である。血中エストラジオール値とLH-RH試験の結果は乳房腫大に矛盾しない。成長曲線(別冊No.8)を別に示す。

診断に有用な検査はどれか。2つ選べ。

a.頭部MRI

b.染色体検査

c.心エコー検査

d.マンモグラフィ

e.手根骨エックス線撮影

第116回C56 別冊No.8:成長曲線
別冊No.8:成長曲線 / 出典:厚生労働省・第116回C別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

約5歳半からの進行性乳房発育、成長加速とホルモン所見から中枢性思春期早発症を考えます。手根骨エックス線で骨年齢を評価し、頭部MRIで視床下部・下垂体などの器質的病変を調べます。女児には特発性も多いですが、本例は幼い時期の発症と進行があり原因検索が重要です。公式正答はa・eです。2026年のEndocrine Society指針では、中枢神経症状のない6〜8歳女児の中枢性思春期早発症に、頭部MRIをルーチンに行わないことを提案しています。本例の早い症状出現も踏まえ、実臨床では発症年齢・神経症状・進行速度等から個別に適応を判断します。

画像の見方

身長の実測点は幼児期から次第に上方へ向かい、5歳から6歳台にかけて伸びが大きくなっています。乳房の早期発育と合わせ、思春期に伴う成長加速を疑います。成長曲線だけでは骨年齢を測れないため、手のエックス線で骨成熟を確認します。

各選択肢の検討

a.正しい。中枢性思春期早発症の原因となる頭蓋内病変を評価します。

b.性分化疾患等で必要になることはありますが、本例でまず行う標準的な評価ではありません。

c.心疾患を疑う症候はなく、思春期発来と骨成熟の評価には結び付きません。

d.小児のホルモンによる乳房発育の評価として行う検査ではありません。

e.正しい。骨成熟が暦年齢より進んでいるかを確認します。

覚えるポイント

思春期徴候+成長加速では骨年齢と中枢性・末梢性の評価を行い、必要に応じ脳MRIで原因を検索する。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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