第116回医師国家試験 B35(2022年)
正答:d
問題
88歳の男性。長年の喫煙に起因する慢性閉塞性肺疾患と弁膜症による重症の呼吸不全および心不全のため入院した。疾患自体の改善は難しく、呼吸の苦しさや体幹のだるさなどの苦痛の訴えが強く、本人は緩和ケアを望んでいる。妻と二人暮らしで長男が近所に住んでおり家族関係は良好である。
この患者に緩和ケアを行うにあたり、対応として誤っているのはどれか。
a.酸素投与の継続
b.病室の環境調整
c.オピオイド投与
d.家族の面会制限
e.苦痛を訴える部位のマッサージ
正答の理由
緩和ケアは癌に限らず、改善困難な心不全・呼吸不全の苦痛も対象です。本人が望む家族との交流は精神的・社会的苦痛の緩和に役立つため、理由なく面会を制限することは不適切です。酸素やオピオイドは症状、低酸素血症、臓器機能等に応じて効果と有害事象を確認しながら用います。
各選択肢の検討
a.低酸素血症の是正や症状軽減に必要であれば継続します。呼吸困難だけを理由に全員へ一律投与するわけではありません。
b.照明・温度・騒音や姿勢を調整し、安楽を図ります。
c.難治性の呼吸困難に対して少量から個別に検討します。過鎮静や臓器機能に注意します。
d.正答(誤り)。感染対策等の事情がなければ、本人が望む家族との時間を支えます。
e.本人が心地よいと感じ、損傷や痛みを増やさない範囲で行います。
覚えるポイント
非癌の終末期にも緩和ケアを行い、本人と家族の希望を支える。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。