第116回医師国家試験 A65(2022年)
正答:b・e
問題
35歳の経産婦(3妊2産)。妊娠34週2日、妊婦健康診査のため受診した。妊娠初期から妊婦健康診査を受けていた。30歳時および32歳時に、それぞれ骨盤位および既往帝王切開の適応で選択的帝王切開の既往がある。身長157 cm、体重55 kg (非妊時46 kg)。体温36.8 ℃。脈拍80/分、整。血圧110/74 mmHg。1日に数回の子宮収縮を自覚している。胎児心拍数陣痛図で異常を認めない。1週間前に施行した骨盤 MRI の T2 強調矢状断像(別冊No. 24)を別に示す。
説明として適切なのはどれか。2つ選べ。
a.「胎盤の後面に血腫をみとめます」
b.「胎盤が内子宮口を覆っています」
c.「臍帯血管が内子宮口上を走行しています」
d.「胎盤の一部が子宮壁から剝がれています」
e.「胎盤が子宮筋層を貫いている可能性があります」

正答の理由
MRIで胎盤が子宮下部にあり内子宮口を覆っています。前壁下部の筋層との境界は不明瞭で、子宮外側への膨隆もあり、胎盤が筋層を貫く可能性を考えます。2回の帝王切開既往は前置胎盤と癒着胎盤スペクトラムの重要な危険因子です。画像だけで深達度を確定せず、大量出血に備えた専門的分娩計画について説明します。
画像の見方
胎児頭部より下方の子宮下部に胎盤が広がり、内子宮口を覆っています。前壁下部では胎盤と筋層の境界が不明瞭で膀胱側への膨隆もあり、帝王切開既往を合わせて癒着胎盤スペクトラムを疑います。画像だけで筋層外浸潤の程度を確定はしません。
各選択肢の検討
a.後面血腫を示す像を主所見とはしません。
b.正しい。内子宮口を胎盤が覆う前置胎盤です。
c.前置血管の説明で、提示MRIからその所見は確認できません。
d.胎盤早期剝離を示す明らかな剝離・血腫を主所見とはしません。
e.正しい。既往とMRI所見から筋層を貫く癒着胎盤スペクトラムを疑います。
覚えるポイント
前置胎盤+帝王切開既往では癒着胎盤スペクトラムのリスクを評価する。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。