第116回医師国家試験 A54(2022年)
正答:e
問題
2歳の男児。テレビの音が以前より大きいことを心配した母親に伴われて来院した。1週間前に両側の耳痛と鼻汁があり、2日でおさまった。それ以降、呼びかけに応答しないことがしばしばあった。身長90 cm、体重13 kg。体温36.5 °C。耳介と外耳道に異常を認めない。左鼓膜所見(別冊No.18)を別に示す。
診断確定のために有用なのはどれか。
a.語音聴力検査
b.純音聴力検査
c.聴性脳幹反応
d.オルファクトメトリ
e.インピーダンスオージオメトリ

正答の理由
耳痛と鼻汁が治まった後も聞こえにくさが続き、鼓膜に貯留液を疑う所見があるため滲出性中耳炎を考えます。インピーダンスオージオメトリのうち、鼓膜・中耳の動きやすさを測定するティンパノメトリが有用です。中耳貯留液があれば典型的にはB型などの異常を認めます。
画像の見方
鼓膜は赤褐色で透見性が低下し、下方に液面を疑う所見を認めます。上気道炎・耳痛の後に聞こえにくさが続く経過と合わせ、中耳貯留液を評価します。
各選択肢の検討
a.言葉を聞き取る能力の検査で、中耳貯留液を直接評価するものではありません。2歳では通常の方法への協力も難しくなります。
b.聴力閾値の評価ですが、この年齢での通常の純音聴力検査は難しく、滲出液の確認にはeが適しています。
c.乳幼児の客観的聴力評価には有用ですが、滲出性中耳炎の確定のためにまず選ぶ検査ではありません。
d.嗅覚の検査です。
e.正しい。ティンパノメトリにより中耳貯留液を示唆する異常を評価します。
覚えるポイント
滲出性中耳炎は鼓膜所見とティンパノメトリで中耳の貯留液を評価する。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。