第116回医師国家試験 A51(2022年)
正答:c
問題
日齢14の男児。染色体検査の結果説明のため両親とともに来院した。在胎39週、出生体重2,800 g、Apgarスコア8点(1分)、9点(5分)で出生した。体重3,300 g。体温36.5 °C。心拍数120/分。呼吸数40/分。SpO₂ 98 %(room air)。切れ上がった目、平坦で低い鼻、口外に突き出た舌などの顔貌異常を認める。心音に異常はなく心雑音も認めない。呼吸音に異常を認めない。軽度の腹部膨満を認める。手掌単一屈曲線を認め、筋緊張低下を認める。染色体検査(別冊No.16)を別に示す。
この患児に今後合併する可能性が高いのはどれか。
a.脳性麻痺
b.Wilms腫瘍
c.滲出性中耳炎
d.難治性下痢症
e.甲状腺機能亢進症

正答の理由
特徴的な顔貌、手掌単一屈曲線、筋緊張低下と、染色体検査の21トリソミーからDown症候群です。耳管機能の問題などから滲出性中耳炎・難聴を合併しやすく、聴覚を定期的に評価します。
画像の見方
21番染色体が3本あり、性染色体はXYです。顔貌・筋緊張低下の所見と合わせ、21トリソミーの男児と判断します。
各選択肢の検討
a.Down症候群に特異的に高頻度な合併症としては選びません。
b.本症に代表的な腫瘍リスクは白血病などであり、Wilms腫瘍ではありません。
c.正しい。中耳貯留液による伝音難聴に注意します。
d.消化管閉鎖やHirschsprung病などはありますが、難治性下痢が代表ではありません。
e.甲状腺機能低下症が重要で、亢進症がないわけではありませんが本選択肢ではcを選びます。
覚えるポイント
Down症候群では聴覚・視覚・甲状腺機能などを継続して評価する。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。