第115回医師国家試験 F36(2021年)
正答:a
問題
78歳の男性。頭部の皮疹を主訴に来院した。7か月前に頭部に紫紅色斑が出現し、次第に拡大、隆起し、出血するようになった。頭部の写真(別冊No.5A)及び同部の病理組織H-E染色標本(別冊No.5B)を別に示す。
診断はどれか。
a.血管肉腫
b.基底細胞癌
c.海綿状血管腫
d.グロムス腫瘍
e.巨細胞性動脈炎〈側頭動脈炎〉


正答の理由
高齢男性の頭部に、拡大する紫紅色斑と出血しやすい隆起を認めます。組織では不規則な血管腔を形成する異型細胞が増殖しており、血管内皮由来の悪性腫瘍である血管肉腫に合致します。単なる紫斑として長く経過をみないことが重要です。
画像の見方
頭部に広がる紫紅色の局面と、中央の隆起・出血性の変化を認めます。H-E像では、大小不整な血管様の腔と、その周囲・内面で増殖する核の濃い異型細胞が見られ、血管肉腫を支持します。
各選択肢の検討
a.正しい。高齢者の頭部・顔面に紫斑様病変として発症し、進行すると隆起や出血を認めます。
b.基底細胞様の腫瘍細胞の胞巣や辺縁の柵状配列などが特徴で、この不規則な血管形成とは異なります。
c.良性の血管性病変で、異型内皮細胞の浸潤性増殖を示す本症例とは異なります。
d.爪下などの強い圧痛・疼痛や寒冷過敏を伴う小結節が典型で、頭部の広い紫紅色斑とは異なります。
e.頭痛・顎跛行・視覚障害などを来す動脈炎で、出血性皮膚腫瘍とは異なります。
覚えるポイント
高齢者の頭部で拡大する紫斑様病変は血管肉腫を考える。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。