第115回医師国家試験 F22(2021年)
正答:c
問題
我が国の精神保健について誤っているのはどれか。
a.精神科診療所の数は増加傾向にある。
b.OECD諸国と比べて人口当たりの精神科病床数が多い。
c.医療観察法は自殺念慮の強い場合の入院に関する法律である。
d.精神科救急医療システムは都道府県や政令指定都市が取り組む。
e.精神保健福祉センターでは精神障害者福祉手帳の障害等級の判定を行う。
正答の理由
医療観察法は、心神喪失・心神耗弱の状態で重大な他害行為を行った者について、裁判所の審判等を経て適切な医療と社会復帰支援を行う制度です。自殺念慮が強いという理由だけで適用する法律ではありません。自傷のおそれがある患者の入院は、精神保健福祉法上の各入院形態の要件を検討します。
各選択肢の検討
a.出題当時の傾向として正しい。厚生労働省の医療計画指針でも、精神科等診療所数は2014年から2020年に増加しています。
b.出題当時の特徴として正しい。日本は人口当たりの精神科病床数がOECD諸国と比べて多い国です。
c.誤り。対象は重大な他害行為等の法定要件を満たす人であり、自殺念慮そのものを対象とする制度ではありません。
d.正しい。都道府県・指定都市が地域の医療機関等と連携して救急体制の整備に取り組みます。
e.正しい。正式名称は精神障害者保健福祉手帳で、センターは等級判定など専門的な審査を担います。設問の手帳名は原文表記です。
覚えるポイント
医療観察法は重大な他害行為後の医療・社会復帰を扱う制度。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第115回医師国家試験問題および正答
- 厚生労働省:医療観察法制度の概要
- 厚生労働省:精神疾患の医療体制の指針・2014〜2020年の施設数
- 厚生労働省:精神保健福祉法第6条等
- OECD:精神保健医療体制と人口当たり精神科病床(2021年報告・2018年データ)
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。