第115回医師国家試験 D53(2021年)
正答:b
問題
50歳の男性。胸やけを主訴に来院した。1年前から揚げ物を食べた後に胸やけを自覚し、2か月前から毎日不快な胸やけがあるため受診した。既往歴と家族歴に特記すべきことはない。喫煙は40本/日を30年間、飲酒は日本酒3合/日を30年間。
身長165 cm、体重85 kg。
上部消化管内視鏡像(別冊No.18)を別に示す。
この患者にあてはまるのはどれか。
a.下部食道に憩室がある。
b.酸分泌抑制薬の適応となる。
c.バルーン拡張術が必要である。
d.足を上げて寝ることが勧められる。
e.診断に食道pHモニタリングが必須である。

正答の理由
脂肪食後に始まった反復する胸やけと下部食道の粘膜障害から、胃食道逆流症・逆流性食道炎を考えます。PPI等の酸分泌抑制薬が治療の中心です。肥満への対応、就寝直前の食事を避けること、必要に応じ頭側を挙上することも考えます。内視鏡所見や症状に応じて診断でき、食道pH検査を全例必須にはしません。
画像の見方
下部食道に発赤と縦走する粘膜の傷害がみられます。胸やけの経過と合わせて逆流による食道炎を考え、酸分泌抑制療法につなげます。
各選択肢の検討
a.憩室の袋状陥凹を示す像ではありません。
b.正しい。酸分泌抑制により症状と粘膜障害の改善を目指します。
c.嚥下障害を来す狭窄等が示されておらず、拡張術を行う場面ではありません。
d.足側ではなく頭側の挙上が夜間逆流の軽減に用いられます。
e.診断が不明確な場合や難治例等で用います。すべての例に必須ではありません。
覚えるポイント
逆流性食道炎の薬物治療は酸分泌抑制。夜間対策で上げるのは頭側。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。