A群溶連菌咽頭炎は全数届出ではなく定点把握|第115回医師国家試験D44

第115回医師国家試験 D44(2021年)

正答:d

問題

3歳の男児。発疹と咽頭痛を主訴に母親に連れられて来院した。今朝から四肢に発疹があり、午後から発熱が出現し喉が痛いと訴えている。体温37.6℃。全身状態は良好である。咽頭と扁桃に発赤を認め、扁桃は腫脹している。眼球結膜に充血を認めない。頸部リンパ節の腫脹はなく、心音と呼吸音とに異常を認めない。発疹(別冊No.13)を別に示す。

母親への説明として適切でないのはどれか。

a.「迅速検査を行います」

b.「腎炎の合併に注意が必要です」

c.「ペニシリン系抗菌薬を処方します」

d.「全例届出が必要なので保健所へ届け出ます」

e.「解熱して元気が回復すれば登園して構いません」

四肢に散在・融合する紅斑を認める小児の皮疹写真。
発疹の写真(別冊No.13) / 出典:厚生労働省・第115回D別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

発熱・咽頭扁桃炎と発疹からA群溶血性レンサ球菌咽頭炎を考え、迅速検査等で確認します。同疾患は感染症法上の5類定点把握疾患であり、すべての診療医が全例を保健所へ届け出るという説明は不適切です。劇症型溶血性レンサ球菌感染症の全数把握とは区別します。なお登園には解熱・全身状態の改善だけでなく、適切な抗菌薬開始後に必要な時間が経過していることも確認します。

画像の見方

両上肢・下肢に紅斑が散在し、手関節付近では融合して赤みが強くなっています。皮疹写真だけで菌種は決められません。咽頭扁桃炎の所見を合わせ、溶連菌検査で確認することが必要です。

各選択肢の検討

a.迅速抗原検査は診断に有用です。小児では陰性時の培養等も状況により検討します。

b.溶連菌感染後急性糸球体腎炎があり、血尿・浮腫等に注意します。抗菌薬でこの腎炎が確実に予防できるとは断定しません。

c.診断に基づいてペニシリン系抗菌薬で治療します。

d.不適切で正答。通常のA群溶連菌咽頭炎は定点把握で、全数届出ではありません。

e.公式には正答に含まれませんが、解熱のみで直ちに登園可とはしません。出題時の保育所指針は抗菌薬内服後24〜48時間の経過を目安とします。治療開始時刻も確認して説明を補います。

覚えるポイント

溶連菌咽頭炎は定点、劇症型は全数。登園は解熱・元気に加え抗菌薬開始後の時間も確認。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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