第115回医師国家試験 A70(2021年)
正答:b・c
問題
68歳の男性。左眼の視力低下を主訴に来院した。視力は右矯正0.8、左矯正0.1で、眼圧は右15 mmHg、左35 mmHg。左眼の写真(別冊No.24)を別に示す。
考えられる疾患はどれか。2つ選べ。
a.加齢黄斑変性
b.糖尿病網膜症
c.内頸動脈狭窄症
d.網膜色素変性症
e.裂孔原性網膜剝離

正答の理由
虹彩表面・瞳孔縁に異常な新生血管がみられ、眼圧35 mmHgと視力低下を伴うため血管新生緑内障を考えます。高度な網膜虚血で産生されるVEGF等により虹彩・隅角の新生血管が増殖し、房水流出を障害します。糖尿病網膜症と内頸動脈狭窄による眼虚血症候群が原因となり得ます。写真だけでそのいずれかを確定する問題ではありません。
画像の見方
瞳孔縁および虹彩表面を不規則に走る細い血管が多数あり、虹彩新生血管〈rubeosis iridis〉と判断します。
各選択肢の検討
a.脈絡膜新生血管等による黄斑病変が中心で、虹彩新生血管と高眼圧を代表する原因ではありません。
b.正しい。増殖糖尿病網膜症に伴う網膜虚血は重要な原因です。
c.正しい。高度狭窄・閉塞で眼灌流が低下すると、虹彩新生血管を生じ得ます。
d.夜盲・視野狭窄と網膜の色素変性が中心で、この眼所見の代表的原因ではありません。
e.長期の剝離でまれに新生血管を生じることはありますが、典型的な主要原因として本問で選ぶのはb・cです。
覚えるポイント
虹彩新生血管+高眼圧では網膜虚血を探す。糖尿病・網膜静脈閉塞・頸動脈病変が重要。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第115回医師国家試験問題および正答
- 原著:血管新生緑内障の原因・糖尿病と頸動脈閉塞性病変
- American Academy of Ophthalmology:血管新生緑内障の病態と主要原因
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。