川崎病冠動脈病変に対する両側内胸動脈バイパスの開存|第115回医師国家試験A64

第115回医師国家試験 A64(2021年)

正答:c

問題

17歳の男子。冠動脈バイパス術後の定期診察で来院した。3歳時に川崎病と診断され入院加療となった。冠動脈瘤が認められたため、退院後、冠動脈病変についてもフォローアップが行われた。8歳時に施行された冠動脈造影では、左右冠動脈に病変が認められた。その際の左冠動脈の造影像(別冊No.20A)を別に示す。その後、左右の冠動脈に1本ずつバイパス血管吻合術が行われた。今回、バイパス血管の開存の確認のため心電図同期の胸部造影CT(別冊No.20B)を行った。

正しいのはどれか。

a.バイパス血管に多数の石灰化が認められる。

b.左冠動脈の瘤病変(▲)は左回旋枝に存在している。

c.冠動脈へのバイパス血管は2本とも開存している。

d.バイパス血管には2本とも大伏在静脈が用いられている。

e.バイパス血管は瘤病変より近位部の冠動脈に吻合されている。

▲の冠動脈瘤を示す2方向の左冠動脈造影。
左冠動脈造影A(別冊No.20) / 出典:厚生労働省・第115回A別冊(原本の該当ページ)
矢印で示す左右2本のバイパス血管が冠動脈へ連続する3D再構築像。
心電図同期造影CT・3D再構築B(別冊No.20) / 出典:厚生労働省・第115回A別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

造影CTの矢印で示す左右のバイパス血管は連続して造影され、2本とも開存しています。胸骨の左右から冠動脈へ向かう走行は両側内胸動脈グラフトに対応します。小児の川崎病冠動脈病変では、成長への追随と長期開存が期待できる内胸動脈が重要です。バイパスは病変を迂回して末梢側へ血流を届ける目的で吻合します。

画像の見方

冠動脈造影Aで左前下行枝近位部の瘤状拡張を認めます。CT再構築Bでは左右の内胸動脈に対応するグラフトが心表面の冠動脈まで連続して造影され、両側に手術用クリップが並んでいます。

各選択肢の検討

a.高吸収の小構造の多くは血管周囲の手術用クリップです。多数のグラフト壁石灰化と取り違えません。

b.▲の瘤は左前下行枝側にあり、回旋枝の瘤とする記載は不適切です。

c.正しい。矢印の2本を連続して追うと、いずれも冠動脈へ造影されています。

d.両側内胸動脈に対応する走行であり、大伏在静脈2本ではありません。

e.病変の遠位側へ吻合し、病変部を迂回します。

覚えるポイント

川崎病の小児冠動脈バイパスでは内胸動脈。造影の連続性で開存を確認し、クリップと石灰化を区別。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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