第114回医師国家試験 F25(2020年)
正答:c
問題
健常人の腹部造影CTの連続スライス(別冊No.4 A〜F)を別に示す。
急激な体重減少などにより腹部大動脈との間隙に十二指腸が挟まれ、食後の嘔吐や腸閉塞の原因となり得る血管はどれか。
a.①
b.②
c.③
d.④
e.⑤

正答の理由
③は上腸間膜動脈です。十二指腸水平脚は上腸間膜動脈と大動脈の間を通ります。急激な体重減少などで周囲の脂肪が減り、この間隙が狭くなると十二指腸が圧迫され、通過障害を起こすことがあります。これが上腸間膜動脈症候群です。
画像の見方
③はD〜Fで大動脈の腹側に位置する小さな造影血管として追跡できます。⑤の左腎静脈は大動脈の前を横走します。④は大動脈の患者右側にある下大静脈で、Eでは左腎静脈が流入する部分に相当します。
各選択肢の検討
a.誤り。①は門脈で、肝臓へ流入する静脈です。
b.誤り。②は脾静脈で、膵の背側を走行します。
c.正しい。③は大動脈の腹側を下行する上腸間膜動脈です。
d.誤り。④は下大静脈です。Dでは大動脈の患者右側・後方にあり、Eでは左腎静脈の流入部として追跡できます。
e.誤り。⑤は左腎静脈です。上腸間膜動脈と大動脈の間で圧迫されることはありますが、それは十二指腸閉塞とは別の病態です。
覚えるポイント
大動脈と上腸間膜動脈の間で、十二指腸が圧迫されると上腸間膜動脈症候群。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。